二人の写真家」を 覗いて来ました
中でも 有名な 「崩れ落ちる兵士」は ロバート・キャパが撮ったとものとして報道されて来たが 会場のパネルの説明文によると 同じ場所に ゲルダ・タロー(女性)もいて 本当は どちらが 撮ったかは はっきりしていない
くしくも この日(2月3日)の夜 TVの「NHKスペシャル」で 「運命の一枚」 が放映されていて、まさに観てきたばかりの 「崩れ落ちる兵士」について 作家 沢木耕太郎氏の 推理ドキュメンタリーであった
ご覧になった方もおられると思いますが 秘められた真実が次々と明らかになった
あの場所で撮られたと思える写真の プリントは43枚現存しているが ネガフィルムは何故か無いこと そしてあの日 この場所での戦闘は まだ無かった事実 またその証拠に 敵に向かって 向けられ銃は 写真から 実弾が 発射出来る状態になっていないこと 要するに 実戦の様に見るが 演習の様子を撮ったものであった
また当日、ロバート・キャパが持っていたのは ライカ(フィルムはサイズは長方形)で相棒のゲルダ・タローが持っていたのは二眼レフ(フィルムサイズは正方形)とカメラは異なっていた確証がある
ここからの検証がすごかった 写真に写っている山の稜線の位置や道筋 写り込んでいる幹の形等と カメラ・レンズが確定されているので それらの画角から 二人の撮影位置を割り出し 「崩れ落ちる兵士」を 撮ったのは ロバート・キャパの右側にいたゲルダ・タローだったことがほぼ解明 要するに 演習中に 滑って 倒れた 兵士は死んでもいないのに 「戦闘中の決定的瞬間」として 発表されていたことになる
「崩れ落ちる兵士」が世界中に報道された日は、ゲルダ・タローはこの世に居なかったとの事 トラックに乗り移動中 に 戦車と衝突する事故で 投げ出され すでに病院で死亡していたのだ
ロバート・キャパはこの写真について無言でコメントしていない 出来なかったのだ ゲルダ・タローが撮った写真を 自分が撮ったことにして発表した 後ろめたさがあったのかも知れない
その後 ロバート・キャパは 第二次世界大戦の ノルマンデー上陸作戦では、最前線で 命を投げ打って取材を果たした 最後は 地域も違う別の戦場で 地雷に 触れて 亡くなった
二人共、本名は別で、ゲルタ・タローはドイツ人で、タローの愛称は日本人の岡本太郎の太郎からだそうだ